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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 まちこの日本昔話5   

さあ、今夜は、めずらしくも、昔話を聞かせてあげる。

これで眠って。

さあ、はじまりはじまり。


 むかしむかしあるところに、一台のトラックが走っていました。

 荷台には、たくさんの芋が積まれていた。

 芋は、それぞれ芋だった。

 キキーい!

 信号でトラックがとまった。

 そのとき、荷台から、ひとつの芋が転がり落ちてしまったの。

 誰も気づくものがいない。

 と、そのとき、ひとりの少女が、芋に気づいたの。

 芋に駆け寄ると、そっと、芋をひろいあげ、トラックのドアをたたいた。

 芋を差し上げる少女。

 運転手は、はっとして、急いで、運転席から出た。

 「芋を、ひとつ、おとしましたよ。」柔らかな手で包まれた芋が差し出される。

 運転席から降りた青年は、帽子を脱ぎ、深いお辞儀をした。

 「ありがとうございもす。」

 芋が手渡されるとき、神々しいほどの柔らかい光が、二人を包んだの。
 

 それを見かけた、汚い女がいたわ。

 でも、その瞬間。汚い女も、わずかに澄んだ瞳をしていたと思うの。

 それは、あたし。

 あたし、信じてる。
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http://twitter.com/imonokyouten
芋の経典


いま、この瞬間も、芋は、土の中で、あなたを感じている。

絶望ともお別れのときが来たのだ。


まちこより

by kojiki-machiko | 2011-03-06 01:54

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