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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 まちこの恋文4   

「引いてる?引いてる?」

初めて会ったとき、あなたが始めたのは、イスラム教の話でした。

言ってすぐ、「引いてる?引いてる?」とひきつった笑顔であなたは脅えた。

「ひ、惹いてる。」と想いました。

イスラムが好きと言っただけなのに、引かれると思ったあなたの不必要な脅えに

私は、とても惹きつけられて、きっと、もうそれだけで好きになっていました。

そんな風に簡単に恋に落ちることもできるのだと気付きました。

その日以来、私は、イスラムの教えの通り、髪をショールで覆って過ごしました。

不思議なことに自信と平穏が心にもたらされました。

その結果、わたしは、 いたずらをする機会がふえました。
しまいには、子どもたちと一緒になって、空き巣団を作ったのです。

「わたしが空き巣団を作った」と言ったのを、「パキスタンを救った」
と、聞き間違えたあなたが、よっぽどかわいかったので、あなたのうちに空き巣に入り、
こどもたちと、かわいらしいいたずらをたくさん施しました。

翌日、洗濯物と一緒に干されていたアロエの葉を、うれしいニュースだと報告してくれたあなたをどれほど私が愛したことでしょう。

あなたが喫茶店で、砂糖を入れる仕草が近寄りがたいほど、静かな魅力をたたえていて、
神聖なように見えたのが今でも目に焼き付いています。

あなたには、何気ない、瞬間を充実させる才能がありました。
あなたといるだけで、世界がすこしずつ語りかけていることに気付けるほどに。

あなたが傷心のあまり、過食し、拒食し、両親に殺意を抱いたのを打ち明けてくれたとき、
朝顔の葉っぱが、窓辺に陽を浴びていたのに私は見惚れていました。
これは、偶然ですが、ドブを眺めているときとは、印象が異なります。
あなたの希望に満ちた未来を想像できました。
これは、重要な差異に思います。
悲しい話をするとき、あなたの周りに偶然あるのが、
明るい表現態であったということです。これは、私にずいぶん作用しました。

あなたの身の回りには、偶然にせよ、さわやかな景色があったのです。

そんなあなたですから、老いるころには、侘しく寂しく、それがまた、
凛とした景色になり替わるのでしょう。


イスラムのスラムで、逢いましょう。愛を込めて。

まちこ
まちこの恋文4_c0195271_1133430.jpg

より

by kojiki-machiko | 2009-01-29 01:13

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